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『着物の達人講座』 第8回 「着崩れしないコツのコツ」 |
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『着物の達人講座』第8回目は「着崩れしないコツのコツ」「男性編」と題してお話をする。
どんなに着物を着慣れていても時として着崩れる。着崩れたら直せばいい。しかし、着崩れないに越した事は無い。ではどうすれば着崩れを最小限に押さえる事が出来るか。
先ずその前に着崩れは何故起きるのだろうか。きものを着たまま動かなければ着崩れはしない。動く事によって着物が引っ張られ、帯までもずれてしまい着崩れを起こす。ならば引っ張られないように着れば着崩れは起こさない。
着物の中で体が踊る位ゆとりを持たせれば着崩れの仕様が無いのである。ではどんな時に着崩れるのか。
お辞儀をした時後襟が引っ張られて衣文が抜ける。それ以上深くお辞儀をすると着物と共に帯も上がってしまう。また左右に反ると脇が上がってしまう。高い棚の上の物を取ったりする場合、腕を上げると二の腕まで見えるようになる。それ以上に揚げると帯まで上がってしまう。
その対策は、上半身にたっぷりとゆとりを持たせることである。
@ 着物の背縫いの部分を上に引き上げ帯の上で掴める位ゆとりを持たせる。
A 脇縫いの辺りのきものと帯の間に右手の親指を入れ帯が上がらないようにして体を左に反らせる。 右も同様にする。
B 左右の脇縫いの帯の上に掴める位のゆとりが出来る。
C 最後に両手の親指をお腹の辺りの帯ときものの間にに差し込んで帯をぐっと下げる。
充分なゆとりを持たせると最敬礼しても左右に思い切り反っても、腕を思い切り高く上げても上半身をグルグル回してもきものも引っ張られないし、帯はずれない。掴める位(摘まめるではなく掴めるである)のゆとりを持たせるには二寸から三寸(7〜10p)位身丈を長くする必要がある。
また、帯を締めると約一寸から二寸(3〜7p)位短くなる(帯を締める強さに比例する)別途寸法については詳しく述べるが呉服屋さんの言う身長マイナス三十センチでは短すぎるのである。少なくとも身長マイナス二〇センチ位の身丈にすべきである。
長すぎる着物は着方で何とかなるが短い着物はどうにもならない。(もっとも着慣れてくると帯の締め加減である程度はごまかせるが)それに短めの着物を江戸前に粋に着こなすにはかなりの熟練が必要となる。それまでは帯を締めて上半身にたっぷりとゆとりを持たせて裾が足の甲に当たる位の方が着崩れを防げるし、足も長く見える。また立ち姿も綺麗で、いかにも着慣れているように見える。
「ヨッ、様子がいいねぇ」の声が掛かる事請け合いである。
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